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DON's thinking #1
 Detroitは朝の4時である。天候の関係で出発の飛行機の出発が遅れてしまい、結局Torontoに辿り着けず、Detroitに宿泊しなければならなくなってしまった。出発前のミーティングで「海外ツアーではハプニングは間違いなく起こるものだから、そのつもりで」と言っていたのだが、のっけからこんなである。お陰で$20の空港で使えるクーポンを貰い、ボーナスマイルもついた。

 海外ツアーの始まりではいつもいつも時差ボケがつきまとうのだけれど、今回も案の定1:30amにベッドに入って、3:30amにDanからの電話で起こされ、結局そのまま寝れなくなってしまった。13時間の時差を簡単に克服できる訳ないもんな。お腹も減っているが、レストランがopenするのは6時だそうだ。いずれにしてもDanと連絡が取れて良かった。

 Dan Burkeとズボンズの不思議な繋がりのすべてを、この時差ボケの頭で説明するのは無理だ。最初にDanと出会ったのは1998年のアメリカツアーのトロント公演の時で、伝説のEl'Mo cambo clubでやる事に舞い上がってボクらをブッキングしてくれたのが、当時クラブのマネージャーをやっていたDanだった。それ以来彼はズボンズを世界最高のバンドだとして、もう10年以上もカナダに呼んでくれている。彼がいなければ現在のズボンズの存在はないと言ってもいい。北米でやるというのが、ズボンズにとってどれだけ栄養になるだろうか。ボクらはいつもチャレンジして、フレッシュであり続ける為にしょちゅう視点を変える必要がある(場合によってはメンバーを変える必要もあるのかもしれない。ハハ。)。ここのところズボンズは再度大きく変容(metamorphose)していると感じるが、それも今回のカナダツアーに合わせて高いところへ登る為に、メンバーに要求し、ギリギリまで絞り込む毎日(実に毎日)を送っているからである。それは結構大変な事ではあるのだけれど(ボクらだってもうそんなに若くはない)、目的を与えられてバンドがより高い要求をこなしていくのは、喜びと言うしかないだろう。とにかく、動機を与えてくれるDanに感謝しているのである。(時にトラブルを呼び、それで経験値を結果的に増やすことになることも。おそらくそれはこの後のツアー中のエピソードとして出て来るでしょう。)

 最近は動物学の本を読んでいて、サルがどのようにして人間へと進化していったのか興味深く思っている。人間へと進化を遂げたサルの種は基本的に「負け組」といってもいい存在で、弱いものだから木の上を追われ、森を追われ、サバンナへと出ざるを得なかった。そうして生き延びる強い意志のもとに道具を使うのを覚え、文明までつくってしまったのである。「勝ち組」サルはその場所で生き続けることができるので、進化する必要はない。ただ木の上でそこにある果実を食べていれば良いのである。しかし「負け組」はそこに安住ができないので、結果進化してしまった。さて、今マスコミを中心に一生懸命「勝ち組」でいようと煽っているのだけど、それがどのような結果を生むのか、誰にもわからない。だってボクらはまだまだ進化の途上にあるのだから。進化というのは常に一方通行に前進しているのであって、ここで終わりという事はないのではないかな。

まだ夜は明けない。

by bombbar2 | 2009-06-18 04:12 | don


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